小学生の頃である。
夏休みに学校で飼っていたミドリガメ2匹をわたしが家に持ち帰ることになった。
ピンセットで餌を渡すと、パクッと食べる。
夜中に電気をつけると、白目をむきながら、目をあける。
その姿がかわいくてかわいくて、わたしは愛でた。
学校が始まっても、カメたちを学校に持って行くこともせずに、数年育てた。
以外と大きくなるものである。
ある年、わたしが長期入院することになった。
帰宅し、家を探しても、カメたちの姿はない。
近くにいた祖母に尋ねてみると、
「裏の川に流したよー」
の一言が。
食いしん坊のわたしが大人になった今でも、スッポンが食べられないくらいカメがすきだ。